ドライフラワーと脳みそのホルマリン漬けってやってること一緒だよね

※今から映画「花束みたいな恋をした」の感想を書きます。ネタバレを大いに含みますので気を付けてください。結末とか全然書くので。まじでなんの配慮もしないので。どうか逃げてください。

と注意書きを綴ったはいいものの、何から書いていいか分からない。そもそもこの映画を観に足を運んだのは、人から無料券をもらったから。まあ「菅田将暉と有村架純のやつ！？観た〜い！」と声をあげたのは紛れもなく私なんだけど。

「状況がリアルすぎて泣いた；；」「2人がサブカルの塊で上から瓦礫を落としたくなった」。映画が公開されてTwitterで人の感想を目にする度にこのチケットがとても重たいものに思えた。どっちに転んでも楽しくないじゃないか！！！

とはいえせっかくもらった無料券だし…。１ヶ月以上放置して、もうそういう模様の机なんじゃないかと思うほど我が家に馴染んだチケットをポケットに突っ込み、映画館へ向かった。

そんで観た。1人で観た。

な〜〜るほどね〜〜〜〜！！！！！！！！

サブカルチャ〜〜〜〜〜〜〜！！！！！！！！

「Awesome City Club」「きのこ帝国」「羊文学」「フレンズ」「崎山蒼士」「秋山黄色」

窒息するかと思いました。というかギクリの連続のような。だってAwesome City Clubはこの間サークルの卒業ライブで聴いてからiTunesにすぐ入れたし、きのこ帝国を聴きながら大学の帰り道を歩いたし、夜中に布団に潜りながらフレンズのMVを観てたし、、。

映画を観ながら「（おぉ〜）」と思えたのは楽しかったです。

でもそれくらいかな。どこかのシーンで少しうるっときて目頭の切開ラインが滲んだけど、膝の上に置いておいたハンカチは1回も使いませんでした。有村架純にも菅田将暉にも自分を重ねることはなかったし、どっちにもなりうるなと思ったし。

序盤で付き合う前の2人が話してた「私の家の近所に村上龍に似てる方がいるんですけど、奥様は小池栄子にそっくりなんです！」「え！家の中カンブリア宮殿じゃん！」って会話がめちゃくちゃ面白くて声出して笑いそうになって必死に押し殺して、その後何回もそのくだりを思い出して笑ってしまって、ラストシーンで2人が泣きながら抱き合うところも「（家の中カンブリア宮殿なのめちゃくちゃおもろいな）」ってことしか考えられなくて気付いたら映画が終わってました。家の中カンブリア宮殿なのやばない？めちゃくちゃ面白い。この小ネタ誰が考えたんだろ。天才だな。家の中カンブリア宮殿の話を聞けただけでも映画観に行って良かったです。

あと3年くらい付き合って別れた元彼をちょっとだけ思い出しました。

う〜ん。もっとこの映画を観て深いこととか考えたかったんですけどあんまり良い余韻に浸れなくて、どちらかというと疲れちゃって、このままこの余韻に浸ってたら暗い気持ちで寝ちゃうな〜と思ったのですぐオカンに電話して他愛もない話をして別の映画を観て上書きしました。「花束みたいな恋をした」。とてもとても綺麗な映画であることは間違いないです。が、結婚したくないな〜というざっくりした気持ちはより深まりました。一人で生きていけるように稼ごう！

余韻に浸ってた短い時間に書いてたメモには

「上映後、手を繋ぎながら足取り軽く出口まで歩く前のカップルは映画のあの2人に自分たちを重ねたのだろうか。それとも、自分たちは永遠だと信じてファンタジーを楽しんだんだろうか」

「『アガるような終わり方じゃなかった』と伝えたら『最初の気持ちがずっと続くわけないのにね』と笑った。少し前に流行った音楽を聴いている母。バツイチで今は別の人と再婚している母。きっと開始30分もしないうちに寝るだろうな。」

と書いてありました。浸ってるな〜。

別の映画で上書きしたのちょっと勿体なかったかも。せっかくの機会だったのに。今日はいい入浴剤を入れた湯船に浸かって、シティポップを聴きながらコーヒーを飲んで、脳みその端に追いやった映画の感想を一人で反芻して寝よう。